ドル/円相場は、101円台前半まで上伸する展開になっている。ポルトガルの債務不安などが浮上する場面も見られたが、リスク投資環境が総じて堅調に推移する中、ドル買い・円売り優勢の展開になっている。100円台回復で上げ一服となる場面も見られたが、7月5日に発表された米雇用統計が市場予測を上回ったこともあり、改めてドル買い・円売りが優勢になっている。5月30日以来のドル高・円安水準を更新している。
6月米雇用統計であるが、非農業部門就業者数は前月比+19.5万人となっている。市場予測+16.5万人を大きく上回っている。また、5月分に関しても速報値の+17.5万人から+19.5万人まで上方修正されており、雇用環境が想定以上に良好な環境を維持できていることが確認できる。前月比+20万人の大台に近づく中、米金融緩和政策の縮小が可能な状況にあることが確認された形になっている。これを受けて7月30~31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で直ちに緩和策の縮小が決定される可能性は低いものの、9月FOMCでの縮小が決まる可能性が高くなっていることは間違いない。このため、これまで横ばい状態が続いていた米長期金利も急伸しており、日米金利差拡大の動きがそのままドル高・円安圧力に直結し易い環境になっている。
一方、国内では参議院選挙の告示が行われているが、各種メディアの世論調査では自民党の優勢が報じられており、衆参両院の「ねじれ現象」が解消される可能性が高くなっている。これは、「アベノミクス」路線が今後も継続される可能性が高いことを意味し、日本株高・円安が促され易い地合になっている。21日の投開票までは何が起きるのか分からないが、ドル高と同時に円安圧力が正当化できる相場環境に回帰しつつある。
今後1週間の予想レンジは、100.00~103.00円。